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本岡 隆文
no journal, ,
福島第一原子力発電所では、東日本大震災直後、原子炉及び使用済燃料プールに、海水・淡水が注入されたため、原子炉・燃料プール用材料の腐食が懸念された。原子力機構では、原子力用金属材料について、福島第一原発事故後の健全性評価のための腐食研究を実施している。本発表では原子炉と燃料プールを対象とした腐食研究の概要を報告する。
熊谷 友多; 木村 敦; 田口 光正
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放射性セシウムの吸着処理では、ゼオライトは強い放射線にさらされ、ゼオライトの細孔内では水の分解が生じる。その結果、爆発の危険性を有する水素(H)や金属腐食を誘発する過酸化水素(HO)が生じる。そこで、水とゼオライトとの混合系におけるHの生成およびHOの反応について調べた。まず、天然モルデナイトと海水との混合物に線を照射し、H発生量を調べた。その結果、水の放射線分解に加えて、天然モルデナイトが付加的なH発生を誘起することが分かった。次に、X型ゼオライトを用いて、混合物中での放射線効果に対する酸素(O)の影響を調べた。Ar飽和,空気飽和,O飽和条件でHの発生を比較した。その結果、混合物ではOによりH発生が抑制されることが明らかとなった。さらに、Y型ゼオライトを用いてHO水溶液との混合物を照射し、HOの分解挙動を測定した。その結果、ゼオライトに吸着したHOの分解が生じることが分かった。これらの結果から、水溶液とゼオライトとの混合系では、ゼオライト細孔内を反応場とした水分子を含む溶存化学種の吸着と界面での放射線誘起反応が重要であると考えられる。
端 邦樹; 山下 真一*; 室屋 裕佐*; 勝村 庸介*; 塙 悟史; 笠原 茂樹; 上野 文義
no journal, ,
放射線場にある海水が構造材料に与える影響を評価するために海水のラジオリシス現象に関する研究を進めている。海水のように高濃度のNaCl水溶液中では、塩化物イオンが水のラジオリシスの初期過程にまで影響を及ぼすことが懸念される。ラジオリシスの初期過程では水分解由来の化学種がスパーと呼ばれる局所領域に偏在しており、ここでのラジカル同士の反応がその後の過酸化水素などの安定生成物の収量に大きく影響を与える。そのため、塩化物イオンがスパー内の反応プロセスにどのように寄与しているかということを理解することは海水のラジオリシス現象を把握するうえで重要である。本研究ではパルスラジオリシス法による初期過程の測定結果をモデル計算により再現することで、計算に使用するデータセットの改良を行っている。はじめに低pH条件において重要となる反応経路のデータセットの見直しを行い、酸性系における実験結果を計算によってほぼ再現はできるようになった。現在は中性-アルカリ性の測定結果に対する確認を進めている。
加藤 千明; 佐藤 智徳; 上野 文義; 山岸 功
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福島第一原子力発電所事故の汚染水処理においては、汚染水から放射性物質を取り除くために、セシウム除去設備が設置されている。セシウム吸着塔にはステンレス鋼(SUS316L)が用いられているが、初期の汚染水には 海水が含まれていたことから、塩化物イオン(Cl)による局部腐食が懸念された。また、セシウム吸着塔は吸着した放射性セシウムの崩壊熱による温度上昇と放射線による腐食加速の可能性が考えられた。しかし、Clを含むゼオライト中のステンレス鋼の局部腐食に及ぼす温度や放射線照射の影響に関して不明な点が多い。そこで汚染水処理で発生する廃ゼオライト吸着塔の長期保管の基礎的検討として、線照射下における希釈人工海水を含んだゼオライト中のSUS316L鋼の電気化学試験を行い、局部腐食発生条件を検討した。その結果、吸収線量率の増加に伴いステンレス鋼の電位は貴化するが、ゼオライト共存により貴化が抑制されることが明らかとなった。一方、局部腐食発生電位は線の影響を受けにくいことから、ゼオライト共存によりステンレス鋼の局部腐食のリスクが低減できることが明らかとなった。
永石 隆二
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シビアアクシデント時の水の放射線分解に関する研究開発を進めるには、純水中や希薄水溶液中で得られた知見だけでは説明できない、海水成分の溶解及び固体材料の共存を主要な影響因子として明確にする必要がある。本講演では、福島第一原子力発電所の事故当初から取り組んだ、汚染水処理における廃吸着塔の長期保管方策の検討、原子力施設での水素挙動評価技術の高度化事業等の中で得た水の放射線分解に関する成果を概説するとともに、工学的な検討を進める上で重要な考察として「水酸化ラジカル捕捉剤としての塩化物イオンと臭化物イオンの違い」や「固体材料の粒子間と細孔内でのハロゲン化物イオンや過酸化水素の挙動」について述べる。